社員紹介

様々な切り口から付加価値の高い金融経済分析を行う。

水門 善之 ホールセール リサーチ 2007年入社 工学系研究科卒

「金融経済」を分析・研究対象とする職場

野村證券を選んだ理由

入社前は、大学院で情報理論と呼ばれる分野の研究を行ってきました。具体的な研究テーマは「データ圧縮」であり、例えばテキストや画像・音声といった、任意のデータファイルを圧縮するアルゴリズムを開発し、実際に圧縮して、その圧縮限界をシミュレーションと理論の両面から示すという研究をしていました。このように、数理的な技術をコンピュータサイエンスの分野に応用させる研究を行っていく中で、次第に、分析対象とするテーマ・事象を、より広げていきたいというモチベーションが生まれていきました。これが、金融経済という、より幅広い社会事象(様々な社会データ)を対象とした分析・研究を行える野村のリサーチを選んだきっかけです。

コンピュータサイエンス分野出身である強み

現在の仕事内容

私は金融経済研究所経済調査部に所属し、エコノミストとして働いています。当部は、金融経済見通しや金融政策、財政政策の見通しといった野村のハウスオピニオンを策定したり、様々な経済関連のテーマ分析を行っている部署です。分析した内容は、レポート執筆やセミナーでの公演、またメディア等への情報提供を通じて、社会に発信していきます。現在、私は経済調査部の経済解析グループのグループリーダーを務め、様々な分析プロジェクトを率いています。コンピュータサイエンス分野出身という自らの強みを生かし、人工衛星画像や、POSの売り上げ情報、クレジットカードの決済情報、様々な経済事象を捉えたテキストや動画情報、携帯電話の位置情報など、多岐にわたるデータを用いた経済分析手法を開発・提案してきました。エコノミストとして、様々な切り口から経済を分析し、スピード感をもってレポートを発信していくのは、非常にやりがいのある仕事です。

MBA留学で見えた世界

成長支援

野村では、海外MBAの社費留学制度があり、私は米国ミシガン大学のビジネススクールに留学しました。教授陣は、元リーマンブラザーズの債券ストラテジストや、元FRBのエコノミスト、ヘッジファンド出身者や、元金融監督機関の幹部など、金融業界出身の方が多く、授業では毎回最前列に座って彼らとのディスカッションを楽しむことができました。なかでも、元FRBの気鋭のエコノミストと、日本政府の為替介入の是非や、金融危機時の金融政策対応の在り方について、激しく議論したのはいい思い出です。また、元金融監督機関の幹部との会話でも感じたことは、様々な意思決定は、単純な合理性では説明できないという点です。しかし、金融市場は、それらが反映された世界で動いています。詳細は割愛しますが、米国の政策意思決定者たちが、どのように金融市場を捉えているかを垣間見ることができたのは、日本に帰ってから、金融政策や金融市場の動きを予想する上でも、非常に参考になる経験でした。

エコノミスト、そして研究者として

今後のキャリア

付加価値の高い金融経済分析を行っていく上では、様々な情報収集がカギとなります。その際、今回の記事で触れたようなデータ収集もさることながら、周囲のエコノミスト、ストラテジスト達との日々の議論に加え、産業分野に精通した多くの企業アナリストとの連携作業は欠かせません。また同時に、最新の分析技術のキャッチアップも不可欠です。幸いなことに、昨今、野村でも働き方改革が進み、自由に使える時間が増えました。そのため、自己研鑽も兼ねて、業務外では先端技術を実装した様々な研究を行っています。一部の内容については学会等での発表を行っており、2017年度、2019年度、及び2020年度には人工知能学会の学会賞を受賞することができました。また、業務と並行して東京大学の工学系研究科の博士課程にも所属し、機械学習を用いた金融経済分析をテーマとした研究で博士号を取得しました。現在も、同大学には研究員及び非常勤講師として在籍し、研究・教育活動を続けています。このように、昼はエコノミスト業務、夜は大学での研究という二束のわらじを履くことで、見えてくる世界があると信じて、日々頑張っています。

水門 善之

ホールセール リサーチ

2007年入社

オフの過ごし方

日々、エコノミストとして経済の変化を気に掛けながら生活しています。そのような中、オフの趣味の一つは、居酒屋巡りです。その際、様々な業界で活躍する友人たちや、お店の人たちとの交流を大切にしており、多岐にわたる雑談の中で経済・産業の変化を捉えることができる一面もあります。また酒好きの趣味が高じて、人々のお酒の趣向と日本の人口動態を分析し、お酒に関連する産業の将来展望に関する分析レポートを発行し、好評を得ることができました。このような自由度の高い分析テーマを扱えるのも、エコノミストの醍醐味です。