プロジェクトストーリー

お客様の人生を幸せにする
私たちになるために。

顧客満足度の高さを支える「お客様に寄り添う」接客マインドを伝播

PROJECT

01

保呂 貴子

ウェルス・マネジメント部門

1996年入社

更に顧客満足度の高い接客を、全国の営業担当者が追求し実現するプロジェクトを推進しているリテールビジネス推進部の保呂貴子。お客様と担当者が「人と人」として向き合うことを大切にする接客のノウハウには、保呂自身が営業の現場で感じ、育んできた想いが込められている。

顧客満足を追求した接客を、
全ての支店で実現できるように発信。

「目の前のお客様には、奥行きがあることを感じてください。経験してこられた喜びや悲しみ、長年一緒に過ごしてこられたご家族など、その方の人生の奥行きを感じることができた時、その方の本当の魅力が見えてきます。」

今や株の売買だけでなく、不動産や預金といった多様な資産にも関わり、相続などもお手伝いするようになった野村證券。その営業チームにとって、お客様を総合的に理解する能力と姿勢は、まさに必要不可欠なスキルとなっている。本社のリテールビジネス推進部から全国の支店のパートナーへ、顧客満足を追求した接客ノウハウを伝え続けているのが、入社20年超のキャリアを持つ保呂貴子だ。研修を企画して実施したり、各支店を訪れて営業社員と対話したり、様々な手段で接客マインドを伝える活動に取り組んでいる。

「野村證券のサービスの幅は広がっていて、以前よりも充実したサービスのご提供ができるようになりました。とはいえお客様が、心を許していない相手に対し、銀行預金がどのくらいあるとか、不動産がどれだけあるかなどのプライベートな内容を話してくださるはずがありません。お客様の総合的なご資産管理をお手伝いするなら、まず「人と人」としての信頼関係を構築することが必要になります。商売よりも大切なのは、お客様に寄り添うことであり、野村證券はその第一人者になろうということです。」

お客様に気付きをいただいて
接客スタイルが確立しました。

現在は後輩社員を指導する立場となった保呂にも、もちろん新人時代があった。野村證券に入ったら成長できそうだと直感的に思い入社し、地元の支店に配属となった。当時はまだあった制服を着て、店頭での接客業務や、お客様に架電をして金融商品をご案内する業務を担当していた。

「入社1年目、インストラクターの先輩に横に付いてもらいながらお客様を接客していた時のこと。お客様に「君は入社何年目?」と聞かれ、「まだ1年目です。」とお答えしました。するとお客様が「“まだ”は不要だよ。店頭に座っている以上は、1年目だろうが5年目だろうが野村の立派な社員なのだから。」とご指摘くださったのです。無意識に口にした言葉に、自分の甘えが出ていたことに気づかせていただきました。20年以上経った今でも鮮明に覚えています。」

この一件で保呂は、接客の奥深さに目覚めることになった。その後、店内での接客経験を積んでいった保呂にとって、次の成長の転機となったのが、女性社員も外交に出ることに方針転換となった2005年の組織変更である。実は当初、保呂は業務の広がりに期待を抱きながらも、慣れない訪問に戸惑いもあり、なかなか踏み出せずにいた。そんな時、「一緒にお客様のところを回ってみよう。」と声を掛け、連れ出してくれたのは当時の課長だった。

「実際にお客様を訪問してみて、私が間違っていたことに気付かされました。お客様がどんなご自宅にお住まいなのか、どんなご家族がいらっしゃるのか、どんなご趣味をお持ちなのか…。それまでの自分にはこうしたたくさんの情報が見えていなかったのです。更にお話の中身も、お電話だけでお話しするのと、実際にお客様のお顔を見ながらお話しするのとでは、入ってくる情報の量と質が全く違うことが分かりました。」

全社的な顧客満足度調査で、
2度「ベストパートナー」を受賞。

お客様を訪問することで、保呂の視界が一気に広がった。自分から進んでアポイントを取ってお客様にお会いするようになり、営業活動が更に楽しくなった。

「ビジネスを抜きにして、お客様の優しさや懐の深さ、言葉を換えれば人間としての魅力に触れることができるのが楽しくなってきたのです。お客様のお話を伺うのもすごく好きになって、いつも興味津々でお聞きしていました。私が単なる営業担当者としてではなく、一人の人間として向き合っていることが伝わると、お客様もそれまで以上に心を開いて接してくださる。お会いする機会が増えるごとに、お客様との繋がりが深まっていく感覚がありましたね。」

結婚・出産を経て、二児の子育てをしながら働くようになると、更にお客様に対する共感力が高まったと保呂は言う。「自分にも人生経験が少なからず積み重なってきたこともあり、お客様のお悩みに感情移入して一緒に悩んだり、逆に私の子育ての悩みを打ち明けたりすることもありました。次第に金融機関の担当者という感じではなくなってくるのです。」

学校のことでお悩みを抱えるお嬢様がいらっしゃるお客様とは、子を持つ母親同士としてお話しし、少しでも何かお力になれないかと考えた。余命を宣告されたお客様とは、病室で一緒に涙しながら相続のご相談にのった。大勢のお客様の人生に寄り添い、その悩みを共有した経験は、保呂の心を更に耕し、支店に架かってくる約500人のお客様からの電話は、最初の声だけでその方のお顔も浮かぶようになった。

営業成績では際立って上位にいたわけではなかった保呂ではあったが、お客様からのアンケートをもとにした顧客満足度の調査が始まると、2度「ベストパートナー」に選出された。かくして表には見えていなかった保呂の取り組み方が全社的に注目されることとなった。

人として、会話し続けること。
伝えるには、それしかない。

ベストパートナーの受賞の副賞として、サンフランシスコでの海外研修に参加した。「お客様にご満足いただく」という押し付けのような考え方ではなく、そのサービスをご提供したお客様が「どのような感動や幸せを体験できるか」というカスタマーエクスペリエンスから考える発想にも触れ、大きな刺激を受けた。

課長に昇格し、更に支店長も経験。部下を持つようになってからは、まだ人生経験の少ない若いメンバーに、お客様に寄り添う姿勢を、どうすれば伝えることができるだろうかと考えるようになった。

「人と人との繋がりを大事にしなさい、こうやってアプローチしなさい、と説明しても、なかなか伝わりません。人と人とが出会えた意味を、若いメンバーにも実感してもらうためには、私自身が一人ひとりの社員と、年齢や社会的地位にとらわれない人と人としての会話をしていくことで、その人自身に“寄り添う”という感覚を味わってもらうしかないのだと思います。」

2021年には現在のリテールビジネス推進部へ異動し、顧客満足度の高い接客を全国の支店に伝播する役割を担うことになった保呂。研修や対話、体験談の共有など様々な施策を通じて、自らが会得してきた接客スキルの真髄を全国の営業担当者に伝えている。お客様に幸せになっていただくために、私たちにできることはなんだろうか。皆に、自分自身に、問い掛け続ける。

保呂 貴子

ウェルス・マネジメント部門

1996年入社

1996年

入社

関東地方の支店に配属
最初は店内での接客・架電・受電業務に従事

2002年

一度目の産休・育休を取得

2004年

仕事に復帰

復帰後、女性も外交する営業スタイルへ転換

2006年

二度目の産休・育休を取得

2007年

仕事に復帰

2016年

課長に昇格

2017年

顧客満足度調査ベストパートナーに選出

アメリカ・サンフランシスコ研修に参加

2019年

2度目の顧客満足度調査ベストパートナーに選出

異動。関東地方の別の支店に支店長として着任

2021年

本社リテールビジネス推進部へ異動