生まれ育った、よく知っているこの地域が私の仕事場です。入社4年目の私は、東海地域の支店に所属し、地元の富裕層のお客様を担当しています。この支店の特徴は若手社員が多いことです。同世代が多いためか、結束感が強いように感じています。
お客様から様々なご資産に関するお話をお伺いする中で、自分の知識だけでは不足することもあります。そんな時は、先輩に聞いたり、高い専門性を持つ本社の部署から情報をもらったりしながら、総合的な資産コンサルティングができるよう努めています。
毎日、お客様とお話しするのは楽しくて、「お客様」というより、その人を「人」として好きになって、私自身も「担当者」というより「朝倉美帆」という人として、親しくなっていく、そんな感覚です。
自らお客様を増やしていくことの楽しさを分かってきたのは、入社から半年が経とうとしていた頃でした。最初は先輩のもとで、とにかく少しでも多くの方にアプローチするスタイルで新規開拓を行っていました。同じやり方を繰り返す中で「このやり方だけではなく、自分で考えたやり方でも試してみたい」という気持ちが芽生えてきました。以前、お忙しい開業医の先生方に十分なアプローチができていないという話を支店内で聞いたことがあり、私はクリニックに絞ってアプローチをしてみたいと課長に相談しました。ダメかなと思ったのですが、反応はその逆で、やってみなさいと積極的に認めてもらうことができました。
それからは、年度末までの約半年の間で、10件のお客様を開拓することを目標に、クリニックを回る日々を送りました。お会いできるのはお昼休みと診療の終わった夕方だけという限られたわずかな時間だったので、まず話を聞いていただく機会を作るのが大変でした。エリア内のほぼ全てのクリニックにアプローチするほか、プライベートで自分がかかったお医者様に名刺をお渡ししたりすることもありました。その甲斐もあり、1年目が終わる頃には9名のお客様にお取引いただき、2年目に入ってすぐに目標を達成することができました。自身の工夫により、お客様と信頼関係を築けることがここまで楽しくなることに驚きました。
手数料の安いインターネットが台頭する中で、野村證券とお取引をいただける理由。それは私たちが持つ情報に価値を感じて下さっているからだと思います。だからこそ、担当させていただく以上、お客様のご期待に応え、ご満足していただきたいと思っています。「担当があなたで良かった」と思っていただくことが私の目標です。
しかし、現実はそう簡単にはいきません。入社3年目の頃、担当していたお客様に大きなご損を発生させてしまった時がありました。お客様のためにしてきたことが、無意味どころかご迷惑をお掛けしてしまったと自責の念に駆られ、毎日のようにお電話でお話ししているお客様であったものの、上席と共にお客様を訪問して面談に臨む時は、これまでになく緊張しました。そして上席が年間の損益を報告してお詫びした時、そのお客様が仰った言葉は忘れられません。「朝倉さんはちゃんとやってくれていて感謝しています。戦友だと思っているので大丈夫。これからもよろしくお願いしますよ」。
申し訳なさと有り難さが同時に込み上げました。そこまで思ってくださる方のために、もっと私が勉強して、お客様のご意向に沿ったご提案ができるようになりたいと思いました。この時期から、お客様との絆はより強くなったように感じました。