社員紹介

国を越えトレードを
よりよく繋ぐ。

山中 野愛 コーポレート 決済部 2012年入社 国際教養学部卒

海外からの売買の指図を処理。
一日数万件の決済を支えています。

決済部はいわゆるバックオフィスの一つで、取引に欠かすことのできない「決済」という重要な業務を担っています。その中で私は、海外にお住まいのお客様によるお取引のうち、日本株式に関する決済を担当するチームに所属しています。日々の決済処理の件数は約3万件、多い日では4万件にものぼります。これらの決済をスムーズに履行できるよう、10人弱の社員で業務を分担しており、私はそのチームを統括することが役割です。

決済は「売り手」と「買い手」の決済に係る指図(さしず)が一致して初めて履行することができます。しかし、海外からの指図は時差によるタイムラグが発生するため、双方のタイミングが合わずに、決済が履行できないことがあります。一つの決済が不履行になると、その履行を前提とした次の決済も滞ってしまいます。そこで、指図が一致するように私たちが調整を図ったり、決済が不履行となってしまった場合には「借り株」といって別のところから株式を調達して決済を履行させたりするなど、決済が滞らないための業務も行っています。

世界的に重大なニュースが流れマーケットが大きく変動したりすると、それに伴い処理する決済量が大幅に増えることがあります。そのような時は、業務に優先順位を付けてチームのメンバーに指示を出したり、最優先すべき処理には多くの人員を割り振ったりと、刻々と変化する状況に応じた判断力や行動力が問われます。インドやロンドンなどの海外拠点とも連絡を取りあって調整を図ることもあります。日々、時間と戦う緊張感のある業務ではありますが、その分、やりきったときの達成感も大きくやりがいを強く感じています。

日本の株式の決済期間を短縮する
「T+2」化プロジェクトに参加。

入社8年目に大きなプロジェクトに携わる機会を得ました。それは「株式等の決済期間短縮化」です。当時、海外の主要マーケットは約定日から2日後に決済を行う「T+2(ティープラスツー)」がスタンダードになっていたのですが、日本ではまだT+3で決済が行われていました。そこで、日本もいよいよ「T+2」化しようと、野村證券が主要メンバーとして参加する業界横断的なプロジェクトが動き出し、決済部を代表して私も参加することになりました。

「T+2」化は、決済期間を単に1日短縮するだけと思われがちですが、1日の短縮は決して簡単なことではなく、システムの改修はもちろん、考慮すべき事項は驚くほど多岐にわたっています。私たちが担う決済業務もプロセスを抜本的に見直すなど、懸念点を1年前から洗い出しミーティングを重ねました。また、普段は関わることのない社内のさまざまな部署の方や、同業他社の方と話し合う経験はとても新鮮で、たくさんの刺激を受けました。所属するチームのメンバーにも協力してもらい、IT関連部署の方々とシステムのリリースに向けて事前テストを重ね、ついに2019年7月、業界全体でT+2化がスタートしました。

最初の1〜2週間はシステム等のトラブルが起こらないか、それによって決済の不履行を多く生じさせてしまわないかを注視するなど、緊張の続く日々でした。しかし、綿密に事前準備をしてきたこともあり、無事に業務が軌道に乗ったときにはとても安堵したことを覚えています。当時の役員をはじめ関係者から慰労と感謝の言葉をかけてもらった時には、大きなプロジェクトに携わっていたことをあらためて実感することができました。また、このプロジェクトを通じて社内外にネットワークが広がり、何かあった時に相談できるコミュニティが構築できたことも自分にとっては大きな財産となりました。

失敗を恐れていたら考え方が広がらない。
気付いてから始まった成長。

「失敗を恐れてモヤモヤと時間を費やすのはもったいない」と思っています。なぜこの作業をしているのか、なぜこうしなければいけないのか、よりよい方法はないのかと、常に考えることを大事にしてきました。このおかげで、例えば10工程あったプロセスを5工程に半減したり、一つひとつ手入力していた作業をツール化して作業時間を大幅に短縮したりするなど、業務の効率化を実現することができました。

こういった思考・行動ができるようになったのは新入社員時代の反省がきっかけです。入社1、2年目の頃の私は何よりも失敗を恐れていて、先輩から教えて頂いた手順を変えようとする発想には全く至りませんでした。こんなことを先輩に聞いたらいけないのではないか、提案してもし失敗したらどうしようといったことばかり考えていました。つまり受け身だったわけです。しかし、若い頃は先輩がフォローしてくれるのだから、むしろ失敗することで学ぶくらいの姿勢が必要なのだと、仕事に対する捉え方を変えてからは、疑問や意見があれば、上司にも積極的に掛け合うようになりました。野村にはそういった若手社員の主体性を歓迎する風土があり、先輩社員は誰もが快く話をきいてくれます。

また、自ら手をあげてクロス・トレーニングという仕組みを利用し、決済部の一つ前の業務プロセスを担うミドル・オフィス部で半年間ほど業務経験をさせてもらったこともありました。より上流の業務を知ることで、一連のプロセスや決済業務の役割がよく見えるようになったことも自分の成長の糧になっています。これからもより刺激的な機会を自ら掴みにいき、視野を広げ、所属する課を牽引するような存在、ゆくゆくは決済部を牽引するような存在になることが目標です。

山中 野愛

コーポレート 決済部

2012年入社

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