社員紹介

上場後の発展のために、
質の高い審査を。

岡田 修司 コーポレート 引受審査部 2018年入社 経済学部卒

IPOは膨大な資料の
読み込みから始まります。

私が所属する引受審査部では、主に新規上場(IPO)の審査と、既に上場している企業の有価証券の引受審査を行っています。株式の発行体である企業の事業価値を評価し、業績を分析し、開示情報が十分かなどを審査・助言して、この案件を野村證券が引き受けるべきかどうか、社内の意見形成のための見解を提示することが役割です。

中でも時間をかけて行う業務がIPOの審査です。ある企業が野村證券を主幹事として上場を目指すということになれば、まず私たちの前に「公開引受部」が、上場にふさわしい体制を整備するためのコンサルティングを行います。1、2年かけて体制が整った後に、私たち「引受審査部」の出番となります。野村證券として取引所に自信を持って推薦できるかどうか、更に取引所の審査をクリアできるかどうかという点で、中間審査と最終審査という二段階の審査をそれぞれ数カ月間かけて行います。

審査は資料の読み込みから始まります。審査対象の企業からご提出いただく電子化された資料は、無数のフォルダからファイルが無尽蔵に湧いてくるかのような膨大さです。印刷すれば分厚いバインダー数冊分になる文書を、まずはじっくり読んで、企業を理解しながら報告書の作成に着手します。

丸2日間に及ぶ、質疑や改善提案。
デュー・ディリジェンス・ミーティング。

審査は資料の読み込みだけでは終わりません。中間審査では上場を予定している企業にご質問してご回答をいただいたり、改善すべき事項をお伝えしたりするデュー・ディリジェンス・ミーティングがあります。その時は丸2日間、ずっと対面での面談を実施して、問題点を指摘したり、解決策を話し合ったりします。実際に使用している経営管理システムの状況など、書面では把握しづらい経営の実態を見せていただくこともあります。

また商品が入手できる企業であれば、事前に商品を自分で購入して使ってみたり、食品なら食べてみたりして、その感想をお伝えしてコミュニケーションをとりながら、企業を多面的に理解するように努めています。顔を突き合わせて話すことで経営陣の考えや人柄など、様々なことが伝わってきます。

ただし企業に対して、肩入れし過ぎてはいけません。資本市場の健全な発展のために審査をしているという本来の役割を常に肝に銘じて業務に取り組んでいます。上場を実現したい気持ちはありますが、大切なのは客観的な視点に基づいて、確りと改善点を見出し、企業をより良い方向に導いていくことです。私が指摘した課題点を、実際に制度を構築して改善してくださった時は、その企業がより良くなったことを感じて嬉しくなります。

若手でもIPO審査の主担当に。
あの時は本当に緊張しました。

野村證券は若いうちから責任ある仕事を任せてもらえるとは聞いていましたが、想像していたよりも早くIPO案件の主担当を任されました。メインの審査担当者としてお客様の前に出てミーティングを進行したり、結果を社内に報告したりする日々で、責任の重さに押しつぶされそうになることもありました。若手社員が担当するということで、お客様に心配だと感じさせていないだろうか、私のミスで担当企業や投資家に不利益をもたらしてしまわないだろうかと毎日が不安でした。

中間審査のミーティングでは担当企業に対し、内部監査体制の強化を求めたり、売上高や利益の計画に、より明確な根拠を求めたりするなど、上場のために課題の指摘を行います。こんな若手社員に言われたくないと思うこともあると思います。そこでミーティングの際は、インストラクターの先輩に相談を重ねて、納得感のある説明ができるように準備をして臨みました。本当に緊張感のある案件でしたが、結果として審査後に感謝のお言葉をいただくことができ、その時味わった大きな達成感を今も覚えています。

その後、現在まで5件のIPO審査を担当しました。1件ずつ経験を積み重ねていくうちに、資料から企業像をイメージし、確認すべきポイントが自分なりに見えるようになりました。自分が審査に携わった企業の株価が順調に推移している様子を見ると、この仕事ならではのやりがいを感じます。

企業の発展、投資家の保護。
価値創造の最先端にいる実感。

上場後、お客様から、野村證券の引受審査は非常に厳しく、他の証券会社よりも要求水準が高いと言われることがあります。そういった評判を知りながら、むしろ審査の厳しい野村證券に依頼して問題点を確り洗い出しておきたいと、ご指名してくださるお客様も多くいらっしゃいます。IPO審査をきっかけとした経営体制の改善が、上場後の発展や株価の安定にも貢献し、投資家も守ることができます。そこに私が手がける審査という業務の大きな意義を感じています。

入社4年目には、新入社員のインストラクターにもなりました。私自身、インストラクターの先輩から、社会人としての基礎を始め、引受審査部で必要とされる会計や法律の知識、顧客とのコミュニケーションの取り方、仕事への向き合い方といった意識面まで教えてもらいました。尊敬する先輩と全く同じようには指導できないとしても、審査という仕事の醍醐味を感じてもらえるように、精一杯サポートしていきたいと考えています。

岡田 修司

コーポレート部 引受審査部

2018年入社

MY FAVORITE

好きな言葉は“Let’s make it happen.(「行動あるのみ」)”(映画「マイインターン」でのロバート・デニーロの台詞)と、“シジャギパニダ”(「物事を始めたら、それは半分達成したようなものだ」という韓国のことわざ)。趣味は筋トレです。