
「世界の金融市場の今と将来」を伝える仕事
人を知る社員インタビュー 郭穎 Guo Ying
Profile
市場戦略リサーチ部所属。 大学院卒業後、2004年に大手家電メーカーへ入社し、自動車部品の営業を担当。
2005年に野村證券へ入社。投資調査部にて中国株式市場のテーマリサーチを担当。 2012年にアセットマネジメント会社へ転職し、バランスファンド運用グループにて中国経済のリサーチを担当。
2016年に野村證券へ再入社し、市場戦略リサーチ部にて中国の為替・経済のリサーチを担当。
Interview

業務内容を教えて下さい。
独自の分析を加えたオピニオンを市場に発信
私が所属する市場戦略リサーチ部は、グローバル経済及び金融市場の動向を調査する部署です。景気予測をはじめ、為替・金利・クレジット・株式市場に関する投資戦略レポートの作成や、機関投資家向けのプレゼンテーションを行うことが主な仕事内容です。主要金融資産ごとに調査チームが設けられ、私は為替チームで中国経済と人民元を担当しています。金融市場は各国の経済政策や経済主体の期待・行動によって、日々変化に満ちています。その変化を市場参加者の議論の方向性や経済指標による検証からいち早く汲み取り、独自の分析を加えた自分のオピニオンを市場に発信できることがこの仕事の楽しさです。また、「同じ川に二度と入ることはできない」という言葉通り、同じ景気循環局面でも、相場を左右する要因とそこから導かれる投資インプリケーションが異なることが多いです。このため、リサーチャーとしては、常に新しい情勢と向き合い、自分の分析枠組みを柔軟に調整していくことが求められます。知識と経験の蓄積が重要な職業であることはもちろんですが、学ぶ機会が豊富であることも、この仕事の醍醐味です。

働く環境について教えて下さい。
グローバルな協力体制と切磋琢磨の機会
情報共有の質とタイムリー性が、野村のマクロ調査の大きな特徴であり、日本の投資家に対して迅速かつ充実したグローバル投資情報を提供することが、弊社の強みです。投資戦略の策定に際しては、日・米・欧・新興国の現地リサーチ担当者と連携を取りながら、円建て資産に加え、米国、欧州、中国・新興国の金融資産や為替の投資インプリケーションを包括的に市場に発信しています。こうしたグローバルな協力体制に加えて、若手の育成や中堅社員の切磋琢磨の機会が意識的に設けられていることも大きな特徴です。代表的な取り組みとして東京のマクロ担当者による昼会の開催があります。市場の関心が高いテーマを適宜取り上げたり、大きな市場イベントに備えて関連担当者の間で意見をすり合わせたりする他、若手社員の発表練習の場を提供する企画もあります。マクロ調査は資産分類ごとに少数精鋭のチームから構成されていますが、リサーチャー達は各自の担当分野に関する密な情報交換やテーマ横断的なコラボレポートの発行などを通じて、「世界の金融市場の今と将来」を伝える仕事を行っています。

印象的だった仕事は何ですか?
チームプレーの連続で得た貴重な経験
印象に残った仕事は、私が所属する為替チームのコラボレポートが社内のグッドコンテンツ賞を受賞したことです。中国の過剰生産能力問題が近年の投資家にとって関心の高いテーマとなっています。しかし、漠然とした議論にとどまることが多かったため、過剰生産能力の度合いを時系列で定量的に評価し、同問題に対する中国当局の過去の対処法や現在の対策姿勢を包括的に分析するレポートの作成を試みました。同じような問題意識を持つチーム内の新興国通貨担当や国際商品担当の同僚たちと分析手法について相談し、チームリーダーからの的確なアドバイスも取り入れて、コラボレポートを作成しました。レポート発行後はウェルス・マネジメント部門の協力を得て緊急セミナーを開催し、私たちの研究成果を幅広く紹介することができました。さらに、分析手法の斬新さから、他業界からの勉強会依頼や四半期ごとの社内グッドコンテンツ賞の受賞など、予想外の評価も頂きました。レポートの発案からその後の宣伝・紹介を含め、様々なチームプレーの連続で、貴重な経験となっています。
野村證券の特徴は何ですか?
社内リソースの豊富さを活用できるカルチャー
野村證券は、日系証券会社において最大級のグローバルリサーチ体制や顧客ネットワークを有し、金融市場リサーチを志す方々にキャリアアップの環境を提供できる会社です。社内リソースの豊富さや、それを活用できる交流文化の定着は特に特徴的だと感じています。また、2008年グローバル経済危機後の組織再編を経てグローバルスタンダードをより意識するようになり、開放的で多元的な文化を積極的に取り入れてきました。私自身はかつて一度当社を離れて、中国マクロ経済分析のキャリアアップを図るためにアセットマネジメント会社に数年間転職しました。その後、縁があって野村證券へ二度目の入社を果たし、調査対象も中国経済から為替ストラテジーに広げることができました。実際、私のような「再入社組」は、今の野村證券リサーチ内部や関連部署では決して珍しいケースではなくなっています。会社としての懐の深さを感じさせられるだけでなく、多様なキャリアパスを経験している社員が、それぞれ独自のバックグラウンドを持ちながらも一体となって仕事に取り組める組織環境が魅力的だと感じています。

掲載社員の仕事内容・部署は取材当時のものです