し、業、う。
2006

情報の背景を読み解き、
その先を発信する。

現在の仕事の面白さ

アナリストとして企業および産業を調査し、投資家向けに投資判断を付与した企業レポートを発行するほか、投資家訪問を通じて投資アイデアを提供しています。現在の担当は、中小型株チームに所属し、業界に関係なく将来有望な企業を発掘すること。まだマーケットが注目していない、株価が何倍にもなるようなポテンシャルを秘めた企業を見つけ出す。面白さがある半面、どこに軸を置いて発掘するかなど、難しさもあります。アナリストにも様々なタイプがいますが、私は、納得いくまで調べて分析し、情報をどう自分の中で咀嚼するかにこだわって投資アイデアを導いていく『基本に忠実』なタイプ。誰もが簡単に一次情報にアクセスできる時代だからこそ、背景を読み解き、その先を発信する能力が必要とされていると思っています。

オフィスを飛び出し、
現地調査を行う価値を知った。

「中国の製造業で人件費の上昇が経営課題になっている。この問題を日本企業の商機にできないか」と考えたのは、機械チームに所属していた2009年のことでした。「工場を自動化して人件費を抑えてはどうか」という話が出ていたので、工場の自動化を市場でリードしている日本企業に注目し「中国の機械業界が今後どうなっていくか」を調べようと考えたのです。もちろん日本と中国だけを見ていればいいテーマではありません。競合であるヨーロッパのメーカーを念頭に置いて、ヨーロッパ拠点のアナリストと協働し、グローバルレポートをまとめることにしたのです。日系機械メーカーの中国での活動を調査し、現地中国の機械メーカーも取材してまとめた、「中国の製造業の生産拡大と高度化、人件費の急上昇が企業経営者に自動化投資を促しており、機械需要に好循環をもたらすだろう」という内容のレポートは、大きな反響を呼びました。海外の投資家から注目され、株価が上昇した機械メーカーもあり、海外現地調査の重要性を認識するきっかけになりました。

正確な分析は、
企業を成長させることができる。

企業・産業とアナリストの関係

アナリストとして海外に日本の企業や産業を紹介する際、二つの思いがあります。ひとつは日本企業をサポートする立場。良いところを理解してもらうことで、海外資金を日本企業に呼び込むことができます。一方で、「このままで日本企業の競争力が保たれるのか」と、もう少し大きな目線で考えることも必要。たとえばウォン安で、日本の自動車メーカーが韓国製の部品を採用し、発注を増やそうとしていた時期がありました。「日本の部品メーカーは韓国に負けてしまうのではないか」と、海外からも心配する声があったのです。そのとき、私は韓国のアナリストと協働で現地調査を行い、日本と韓国の自動車部品メーカーを比較したレポートを発表しました。プロとして、時には日本の企業や産業に対して、冷静かつシビアな分析を行わなければならないこともあります。しかし、課題や懸念点も事実としてあれば、それを書くことも企業をサポートすることになる。分析結果を外からの意見として参考にしていただけるのが、良いアナリストのひとつの姿だろうと思っています。

集めたデータを正しく咀嚼し、伝えること。
数字を扱うだけが分析ではない。

アナリストに求められる能力

仕事を始めたばかりの頃は、「アナリストの仕事は、デスクワークが中心なのか」と思っていました。上司をアシストする役割として、エクセルで表やグラフをつくったり、分析作業を繰り返したりしていたからです。ところがキャリアを積めば積むほど、足を使って情報を集めたり、世界各国の投資家とミーティングを重ねたりすることが増え、アナリストの仕事はアクティブで外向きであることに気づきました。情報収集ひとつを取っても、机上でデータを集めるだけではなく、訪問して聞いた話を、その場の空気も含めてどう自分の中で咀嚼するかが大事。また、海外の投資家を訪問したり、電話でディスカッションをする際に、企業の事業構成がスラスラと数字で出てきたり、質問に対する自分の考えを、その場でパパっと組みたてて返したりする反射神経や機動力、対人能力も、アナリストに欠かせない要素だと実感しています。

プレッシャーを跳ね除けて得られた知識は
自分を裏切らない。

留学時代

社会に出て、いや、人生で一番忙しかった時期はいつかと聞かれたら、入社7年目と答えます。社費派遣にてMBA留学する準備をしていたのです。渡米後の授業も大変でしたが、受験勉強と仕事を掛け持ちしていた留学前のほうが数倍大変でした。人生であれほど忙しく、プレッシャーのあった時期はありません。米国テネシー州の大学にて学んだのですが、テネシー州を選んだのは、当時、セクター担当をしていた日本の自動車部品メーカーやタイヤメーカーの米国本社があったことも理由のひとつでした。ファイナンス、人事、マーケティング等をフレームワークに落として勉強できたことは、将来に必ず役立つと思います。

山岡 久紘
ホールセール部門 リサーチ
2006年入社

学生時代の私

学生時代、勉強よりも打ち込んだアルバイトは、塾の講師。4年間続けて、最後のほうは、曜日担当の教室長を務めていました。自分で考えたアイデアを人前で話したり、生徒からのアンケートの評判がいいとうれしかったりする点は、アナリストの仕事に似ていると、最近、気がつきました。アナリストは企業にいながら個人名で投資判断や分析が媒体に載り、年に1回新聞にランキングが出ます。結構、負けず嫌いな性格なので、ランキングが出るのは励みになります。将来はセクターアナリストとして、トップアナリストを目指したいと思っています。