私は現在入社7年目で、首都圏の支店で勤務しています。ここは歴史ある住宅地でありながら、多くのオフィスも集積するため、多様なお客様がいらっしゃいます。そんな中で私は富裕層のお客様を担当する約30人のチームに所属し、若手社員をまとめるビジネスリーダーという立場で仕事をしています。
私の仕事は資産家のお客様に、資産運用や税金面のアドバイスなど、総合的な観点からの資産コンサルティングを行うことです。金融資産に関してのご相談はもちろん、その他にもプライベートなことやご家族に関してご相談をいただくこともあります。ご資産のみならず、人生の重要な選択にまで関与させていただけるということは、私に大きな信頼を寄せていただいていることの証であり、この仕事ならではの醍醐味を感じます。
知識やスキルはプロとして大切なものです。しかしそれだけでは不十分だと考えています。お客様も私も、同じ一人の人間です。だから私は、お客様の素晴らしいところを見つけて、お客様を好きになることから始めます。最初は一方的なものかもしれませんが、次第にお客様にもその思いが伝わり、やがて心を開いてくださって、本当のお困りごとを打ち明けていただけるようになります。お客様のお役に立つために、もっと本気で向き合っていく。そんな好循環が始まるように思います。
入社当初は、お客様にビジネスの基礎から人としての道理まで様々なことを教わり、鍛えていただきました。思い出深いのは、1年目に配属された支店の、法人オーナーのお客様です。お忙しい方であったため、なかなかお会いすることができませんでしたが、何度か私がお伺いするうちに、徐々にお話をしていただけるようになり、最終的にはお取引をいただくようになりました。私の諦めない根性と、対応の真面目さを評価してくださってのことでした。
お付き合いを続けていただいて4年目になったある日のことでした。「出会った頃と比べると君も見違えるほど成長した。君が良ければうちの会社で働いてくれないか。ゆくゆくは会社を任せたいとも考えている。」、そのお客様がそう言ってくださったのです。認めてくださり、信頼していただけたことを実感しました。野村證券での自分の夢をお話しして丁寧にお断りしましたが、自分をそこまで見込んでくださったことを、本当に有り難く感じました。
経験も知識も十分ではなかったのにも関わらず、私の熱意を認めてお取引を始めてくださったお客様。そして、お客様のために何をすればいいかを相談すると、しっかり時間を割いて、手取り足取り教えてくれたインストラクターの先輩方。そういった方々からの無償の愛情で、今の自分があると思っています。
入社4年目の後半には、野村證券のグローバル人材育成プログラムで、1年間ロンドンに行く機会をいただきました。このプログラムは金融以外の主体的な活動も行うもので、私は日本食のデリバリーを手がけているスタートアップ企業に飛び込んで、インターンとして受け入れてもらい、日本食のお弁当の営業活動にチャレンジしました。現地では日本食が他のアジア諸国の料理と混同されていたため、本格的な日本食を知ってもらおうと、有名なインフルエンサーの方にもお会いして、本来の日本食を広める活動をしました。
一方、金融関連の調査としては、日本より進んでいると言われるプライベートバンクの資産コンサルティングを学ぼうと、全く人脈もないところからアポイントを取り、大手プライベートバンクのバンカーの話を聞きに行ったことも印象に残っています。ブラジルやイタリアから来ているビジネスパーソンとも友人になり、海外経験がそれほどなかった自分にとって、多くの経験を得ることができた1年間でした。
ロンドンでの経験は、色々な価値観に触れたことで自分の幅を広げることができ、今、ビジネスリーダーとして部下をマネジメントする上でも活かすことができています。休日はビジネススクールで経営やファイナンスを学んだり、ジムに通って体のメンテナンスもするようになり、プロとしてのパフォーマンスをより高めようという意識も生まれました。
ふと世間一般の同世代と比べると、他では経験できない多くの挑戦をさせてもらっていることを実感します。この会社で働くことができ、尊敬できるお客様と出会えて、最高の同僚と仕事ができていることがとても幸せだと感じます。日曜の夜が憂鬱だなんて言う人もいますが、私の場合はその逆です。次の日から仕事が始まる日曜の夜こそ、一番待ち遠しい気持ちになります。
これまで皆様からいただいた愛情を後輩たちに注いで、野村證券の育成の伝統を次の世代に残していきたい。そして、より多くの人に最高のサービスを届け、世界中の人から選ばれる世界一の金融機関にしたいと考えています。